小舘香椎子先生のページ


小舘香椎子 日本女子大学名誉教授
(こだて かしこ)

独立行政法人 科学技術振興機構男女共同参画主監

工学博士(東京大学)


専門分野 : 情報フォトニクス
(マイクロオプティクスと光エレクトロニクスへの応用)


Phone number : 03-5214-7647 (科学技術振興機構男女共同参画主監)
E-mail :


プロフィール
略歴
1963年日本女子大学家政学部卒業。東京大学工学部電子工学科助手を経て
1982年日本女子大学助教授、1988年から同大学教授。1992年から理学部数物科学科教授、
2001年から2004年まで同大大学院理学研究科委員長、評議員。
2005年10月より第20期日本学術会議会員。
2006年より日本女子大学「女性研究者マルチキャリアパス支援モデルプロジェクト」リーダー。
2006年4月から2008年3月まで応用物理学会副会長。
2008年4月よりPSS代表取締役、10月より第21期日本学術会議会員、
JST(科学技術振興機構)男女共同参画主監、その他、役職多数。
2009年3月、日本女子大学を退職、4月、日本女子大学名誉教授。
2012年、電気通信大学特任教授。現在に至る。

所属学会
応用物理学会*、日本光学会、電子情報通信学会、画像電子学会、
レーザー学会、映像情報メディア学会、Optical Society of America、
Society of Photo-Optical Instrumentation Engineers、
European Optical Society、International Commission of Optics
<参考> *社団法人応用物理学会の概要

学術活動
日本学術会議第20期、第21期会員、JST(科学技術振興機構)男女共同参画主監
日本学術会議工学共通基盤研究連絡委員会物理工学専門委員会副委員長、
総合科学技術会議評価専門委員会委員、
総合科学技術会議科学技術システム改革専門調査会委員、
日本学術振興会先導的研究開発委員会委員、日本学術振興会科学研究費分科会委員、
応用物理学会理事・評議員、
応用物理学会男女共同参画初代委員長、応用物理学会応用物理教育分科会幹事、
学術審議会専門委員(科学研究費分科会)、男女共同参画学協会連絡会初代委員長、
日本光学会副幹事長、Optics Japan 2005 組織委員長、日本光学会常任幹事、
日本光学会ホログラフィ研究会幹事、レーザー学会委員、映像情報メディア学会評議員、
電子情報通信学会学生会顧問、電子情報通信学会評議委員、応用物理学会編集委員、
人材育成・男女共同参画委員、教育・公益事業委員会アドバイザー、
SPIE(Society of Photo-Optical Instrumentation Engineers)フェロー

政府委員等  
電気通信技術審議会委員(郵政省・総務省)、電波監理審議会委員(総務省)、
独立行政法人評価委員会専門委員、西東京市地域情報化計画策定審議会委員、
日本工学アカデミー会員、人材育成研究委員会委員長(光産業技術振興協会)、
日本ビーエス放送株式会社放送番組審議会委員

受賞
2007年 第4回日本e-Learning 大賞 文部科学大臣賞、
  文部科学省科学技術政策研究所
「科学への顕著な貢献2007(ナイスステップな研究者)」選定
2008年 自然科学研究機構国立天文台 特別感謝状
2009年 文部科学大臣表彰 科学技術賞(理解増進部門)
2010年 第10回応用物理学会業績賞(教育業績賞分野)、
  「電波の日」総務大臣表彰 “電波への貢献”、
  男女共同参画社会づくり功労者内閣総理大臣表彰、
  応用物理学会フェロー
2011年 The Internatiol Society for Optics and Photonics(SPIE)フェロー
 


日本学術会議 勧告・声明・提言・報告
提言「学術分野における男女共同参画促進のために」
科学者委員会男女共同参画分科会 (委員長:辻村みよ子、副委員長:小舘香椎子)

報告「応用物理の将来ビジョ ン」
総合工学委員会未来社会と応用物理分科会 (委員長:小舘香椎子)


最近の執筆記事など
光科学分野における人材育成 -人材育成の視点から-
光学 2010年6月号 pp.260-268 (2010)
未来社会に向けた応用物理の課題と展望 -人材育成の視点から-
学術の動向 2008年7月号 pp.62-65 (2008)
暮らしを支える科学と技術展 -世界を変える応用物理- 報告
応用物理 第76巻 第11号 pp.1222-1224 (2007)
応用物理学会における人材育成・男女共同参画の今までとこれから
応用物理 第76巻 第8号 pp.919-924(2007)
科学技術振興調整費プログラム「女性研究者支援モデル育成」
-日本女子大学における「女性研究者マルチキャリアパス支援プロジェクト」の取組み-
応用物理 第76巻 第7号 pp.726-727 (2007)
暮らしを支える科学と技術展 -世界を変える応用物理-
電子情報通信学会誌 vol.90, no.6, pp.500-501 (2007)


応援メッセージ
小舘先生は、独立行政法人 科学技術振興機構(JST)の男女共同参画の男女共同参画主監を務めています。

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「ロールモデル集『理系女性のきらめく未来』」の【巻頭言】(小舘先生)
Shaping the Future 女性として輝き続けるための理想のワーク・ライフ・バランス
-未来に向かってあなたはどんな進路を選びますか?」へ

理工系へ進んだきっかけ

 自然科学への関心は、当時、公立としてはめずらしく理科専科の二人の先生(生物系、物理化学系)がいた小学校で楽しい実験教育を4年生から受けたときに遡ります。同小学校は、東京都の理科教育の指定校でもあり、六年生になったときには、新しい教材の指導対象生徒として、難解ながら興味をそそる問題を解く機会も与えられました。この頃から電気回路やモータなどの工作に興味を持ち始めました。そして、進学した女子大付属中学校、高等学校では、隔週で女性教員による実験が理科カリキュラムに組み込まれており、文化祭でも原子力発電などをテーマにした発表を行いました。そんな環境の中で、理系への進学にはまったく迷いはありませんでした。

研究者としてスタートしたころ
 付属高校で三年間の物理教師を経た後、はからずも在籍することになった国立大学で、助手として量子エレクトロニクスの研究室に所属し、はじめて「光に出会った」のが研究者としてのスタートです。五年間の助手時代には、結婚・出産と研究との両立の厳しさも経験しましたが、研究室は、実に自由で意欲的な雰囲気で、その中でじっくりと実験装置を作りながら、その後学術のリーダーになっていった当時の博士課程の学生達と議論し、ふれあいながら過ごすことができました。現在につながる研究・学問の基礎を築いた貴重な期間だったと感じています。

転機や飛躍に関するエピソード
 助手時代の第二子の出産時には、当時研究と家庭を両立する女性研究者が少なかったこともあり、継続への迷いもありました。そのとき、恩師である神山雅英教授に「子育てに協力してくれる環境を持っているのだから、続けられるでしょう。もうこれ以上無理、という時に考えればよいのでは」と逆に励まされたことをよく覚えています。これを境にして積極的に恵まれた研究環境を活かしていこうと決めました。
 そして、出身大学に教員として戻った当初、家政学部として理学的な研究基盤も弱く、装置もお金も研究時間もなく、とても先端的なテーマを続けるのは困難な環境が待っていました。分割支払いなどで柔軟に対応してくれた業者の方々の理解、時間を生み出すための家族の理解、また、「回折格子」関係の総合研究、『光導波エレクトロニクス』の特定研究などの文部省科学研究費による研究予算などが不可欠で、なにより幅広い分野の第一線の研究者との大事な議論の場にめぐりあえたことで、目標を持って研究を続けることができました。これらすべてがその後の研究内容の充実にも繋がったものと思っています。

後輩への応援メッセージ

 興味を持ち、楽しみながら自己研鑽を継続し、前向きに進んでいってください。そして、決してあきらめないこと。研究の中で「己の場」を創る努力と同時に、連携する大事な機会を得るために、仲間を大事に励まし合いながら共に生きる環境を創る努力をしてください。

ひとこと
 女性の科学技術への進出は、生活者としての視点を活かす意味や、次世代の子供達に科学技術の重要性や面白さを伝える家庭教育という視点からもとても大切です。
 理工系を専攻した多様なキャリアパスの女性達が、社会で生き生きと活躍する環境作りをこれからも積極的に推進していきたいと思っています。大学で産学官連携による女性研究者の両立支援モデルづくりを行い、将来の進路をわかりやすく示し、中高生の理工系への関心を高めるために寄与出来ればと願っています。



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